2012.9.10
no.29

インド食品安全基準局が「混ぜられる可能性の高い異物の家庭での迅速検査方法」を公表

 本年8月3日、FSSAI(Food Safety and Standards Authority of India)は標記の手引きを公表しました。「Common methods for detection at households Part 1」となっていますので、第2集以降もありそうですので注目しましょう。
 表題だけでは「単なる異物の検査法」かと思ってしまいますが、内容を見てみますと「根深い社会悪」とか「意図的混入物(Intentional adulterants)」などの文字が見られますので、中国の衛生局が数年前から公表している「乱用され易い違法添加物リスト」(当該管理者の窓11及び17参照)と良く似た内容で、「インドでは、この様な異物混入が横行しているから自主点検が必要ですよ」と言う意味の情報提供と捉えるべきと考えます。

詳細は以下のアドレスを参照してください。

http://www.fssai.gov.in/Portals/0/Pdf/Final_test_manual_part_I(16-08-2012).pdf



当該“マニュアル”に掲載されている食品に対する混入異物の例は以下の通りです。
食品 混ぜられる可能性の高い異物の例
ミルク 水、でん粉、尿素、バナスパティ(合成バター)、ホルマリン、洗剤、転化糖
チーズ、粉乳、ギー、濃縮乳 タール系色素、バナスパティー
パンケーキ 吸い取り紙
Khoa、chhana(チーズ類) でん粉、タール系色素
Ghee、バター バナスパティー、マーガリン、でん粉
食油、ココナツオイル 着色料、他の油脂
砂糖 チョーク、尿素、着色料
ハチミツ 砂糖液
Jaggery(ヤシ糖) アルカリ洗剤、チョーク、着色料、砂糖液
Bura sugar(粒砂糖) アルカリ洗剤
アイスクリーム、飲料 メタニルイエロー(不許可着色料)、サッカリン
パンケーキミックス粉 ふすま、安物の粉
米粉 ホウ酸
ヒエ、麦等の穀粒 麦角汚染穀粒、黒穗病汚染穀粒、ダチュラの種子
ゆでた米 メタニルイエロー、ターメリック
炒り米 尿素
レンズ豆 スイートピーの種子
金時豆類 クロム酸鉛(天然紅鉛鉱)
黒胡椒 パパイヤの種子、鉱物油
クローブ 香料抽出後のカスのクローブ、鉱物油
マスタード種子 アザミゲシの種子
粉末香辛料 でん粉、塩、ふすま、のこぎり屑
チリパウダー 着色料
ターメリック クロム酸鉛(天然紅鉛鉱) 、のこぎり屑、チョーク、滑石粉
アサフェチダ(香辛料) 滑石粉その他の鉱物粉、でん粉、松ヤニ
シナモン シナニッケイの樹皮
クミンシード 炭の粉で着色した雑草の種
青トウガラシ マラカイトグリーン
グリンピース 着色料
サフラン トウモロコシのひげ
茶の葉 抽出後のカス、鉄粉、チコリ
スパリパンマサラ 着色料、サッカリン
カテキユ粉 チョーク
レモネードソーダ 無機酸
サツマイモ ローダミンB色素
豆類 クロム酸鉛(天然紅鉛鉱)
無機酸

 公開された上記の事例の他、日本への輸入の際に発見された違反事例やRASFF(Rapid Alert System for Food and Feed)の情報例からは以下の内容が見られますので紹介しておきます。
養殖エビ エトキシキン(酸化防止剤)
トウガラシ粉 スーダン色素
乾燥野菜 DDT
遺伝子組換え米
海産物(タコ、イカ) 鉛、カドミウム含量の過剰



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