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no.24 |
2011.9.22 | |||||||
ご存知ですか、アロエは「その他のユリ科の野菜」です。 |
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この半月で「植物の種別に関する誤解による残留農薬の基準違反」が数件発生しています。以下の事例は非常に特徴的な問題であり、注意を要すると考えますので紹介します。 |
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【情報1】 |
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はたけ菜(関西地区では初午におあげと炊き合わせて食べる慣わしがある)のジメトモルフの残留量が基準を超過しているとして違反となった。 |
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【輸入者談】 | ||||||||
ジメトモルフの基準一覧には「はたけ菜」は無かったので、小松菜と同じだろう(20ppm)と考えて管理していた。 農産物等の食品分類表での分類は「その他のあぶらな科野菜」であり、残留基準値は0.02ppmであった為違反となってしまった。 |
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【情報2】 | ||||||||
からし菜のジメトモルフの残留量が基準を超過しているとして違反とされたが、後日撤回された。 |
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【筆者が推測する原因】 | ||||||||
植物学上の分類では、からし菜は「アブラナ科 アブラナ属」なので、ジメトモルフの「その他のあぶらな科野菜」の基準をもって違反としたが、農産物等の食品分類表での分類は下記の通りであり、違反でないとして訂正した。 【食品分類表と対応するジメトモルフの基準値】 ・ カラシナ(マスタード)の葉 →その他のハーブ :20ppm ・ カラシナ(マスタード)の茎 →その他のハーブ :20ppm ・ カラシナ(マスタード)の種子 →その他のスパイス :15ppm ・ カラシナスプラウト(マスタードスプラウト)→その他のあぶらな科野菜:0.02ppm |
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表題にも掲載しましたが、素人から見ればアロエは「多肉植物」であり、サボテンに近いものと考えますが、農産物等の食品分類表では「その他のゆり科野菜」となっていますし、青とうがらしは「その他のなす科野菜」となっている等、常識的な植物の分類と異なる場合が多数見られます。この際、お取扱いの農産物について、分類の再点検をされることをお勧めします。 ※農産物等の食品分類表については以下を参照下さい。 http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/zanryu2/dl/070516-1.pdf |
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(個別の農薬等の残留量基準の判断上での注意点) たとえばジメトモルフの場合、「ほうれんそう」を探しても基準一覧表には掲載されていません。この様な場合、基準一覧表にある「その他の野菜(10ppm)」と思い込み易いのですが、これは誤りです。 上記の「農産物等の食品分類表」のほうれんそうの欄を見ると「ほうれんそう」と分類されていますので、ジメトモルフでは「ほうれんそうは、残留基準の定められていないもの」と判断し、いわゆる一律基準の0.01ppmが適用されます。 つまり、「その他の野菜」とは、上記の表に「その他の野菜」と指定されているもの(たとえばアカザ)に限定されますのでご注意下さい。 |
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