no.14 2009.9.1

オーストラリア・ニュージーランド食品基準庁が一部の添加物の添加義務化を発表


 FSANZ(Food Standards Australia New Zealand)が「国民の栄養摂取状況改善」のために、以下の政策を実施しています。

2009年9月27日以降、パン用小麦粉に葉酸の添加を義務化。家庭用のパン、ホットケーキ、クレープ、ドーナッツ等の調理用ミックス粉も含まれ、小麦粉以外の穀物(トウモロコシ、米、ライ麦等)による製品は含まないとされています。
2009年10月9日以降、すべてのパンについて、使用する食塩の代わりに「ヨウ素添加塩」を使用することを義務化。添加するヨウ素供給源は「ヨウ素酸ナトリウム、ヨウ素酸カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム」のいずれかとするとしています。
これはあくまで任意であるとしていますが、2009年7月以降、ボトル入の水について、フッ素の添加を推奨。

 いずれも製品には表示が義務づけられていますので、表示欄を見れれば添加の有無は判別できますが、我が国では、「フッ素、ヨウ素酸ナトリウム、ヨウ素酸カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム」は、食品添加物として認められていません(ただし、葉酸は栄養強化を目的として許可)ので、該当する食品を輸入する場合ならびに、原材料として使用した食品を輸入する場合には、充分な調査と確認が必要です。

 ヨウ素を添加した食塩の使用は、フィリピン、パキスタン、タイ、ドイツ、オーストリア、イタリア、アメリカ他の国の輸入品から発見されていますので、さらにオーストラリア、ニュージーランドが加わったと認識しましょう。
 ※中国は2008年4月ごろから食塩へのヨウ素添加は禁止されました。


 今回のFSANZの措置のように、その国の地理的な環境条件下で、国民の栄養改善を目的としたり、予防医学の立場から、我が国の食品衛生法には合致しない添加物あるいは混合物の使用を義務づける(推奨する)国がありますので、製造を委託するあるいは製品を購入する前に、製造国における添加物規制等を充分に調査し、日本で禁止の添加物の使用実態があれば、事故防止のための措置を依頼・提案しましょう。

(例えば)
日本では使用が禁止されている添加物である事、製品には使用しないことを理解させる。
日本向けとして独立した製造ライン・設備・器具を使用すること。
これが困難であれば、共用する設備等について、日本向け製品に使用する前に洗浄されている事を点検・確認、記録するルールを設定し実行すること。
国内向けのものが日本向け製品に混入しない措置をとること。(日本向け製造開始前のライン内清掃実施。再利用品の使用禁止等)。
定期的に「混入していないことを製品検査で確認・報告」すること。
これらの事を文書にて契約すること。



(C) 2009 Association for the Safety of Imported Food, Japan