2023.9.1
no.68

コーデックス委員会について
 1 コーデックス委員会の概要
  コーデックス委員会は、消費者の健康の保護及び食品の公正な貿易の促進を目的として、FAO(国際連合食糧農業機関)及びWHO(世界保健機関)が1963年に設立した国際的な政府間組織であり、食品の安全性と品質に関して国際的な規格(コーデックス規格)を策定しています。 各国の食品の規格は、この国際基準との調和を図るよう推奨されています。現在、188カ国とEUが加盟しており、事務局はイタリアのローマ(FAO本部内)に置かれています。 
コーデックス委員会には総会、執行委員会、及び28部会(休会中の部会も含む)が設けられており、部会は、加盟国の中から選ばれたホスト国が運営を行っています。
   
 2 コーデックス規格とは
   コーデックス規格の目的は2つあり、一つは消費者の健康の保護であり、もう一つは公正な食品貿易の確保です。一つ目の消費者の健康の保護を達成するため、世界で流通する食品の安全性に関する基準(食品添加物の使用に関する基準、有害な物質の安全性基準、食中毒防止のための微生物基準等)の作成を行っています。二つ目の公正な食品貿易を実施するため、特定の食品に含まれる成分と量を規定しています。
 コーデックス規格はそれ自体には強制力はなく加盟国が従う義務はありませんが、WTO(世界貿易機関)がコーデックス規格を食品の国際取引のルールとしたため、加盟国が自国の食品規格を策定する場合、コーデックス規格をできるだけ反映するようになっています。
   
 3 コーデックス規格作成の流れ
  コーデックス規格を作成するためには、以下の8つのステップを経る必要があります。
   ステップ1  加盟国・部会から新規作業の提案がなされ、執行委員会でレビューした後、総会で作業を開始するか決定されます。
   ステップ2  部会の作業部会で規格原案が作成され、各国に提示されます。
   ステップ3  各国が規格原案に対するコメントを提出します。
   ステップ4  部会で規格原案とコメントを基に規格の内容について論議します。合意が得られればステップ5に進み、合意が得られなければステップ3に戻ります。
   ステップ5  部会で論議された規格原案は、執行委員会でレビューした後、総会で予備採択されます。承認されれば規格原案が規格案に変わりステップ6に進みます。承認されなければステップ3に戻ります。
   ステップ6  ステップ3と同様、各国が規格案に対するコメントを提出します。
   ステップ7  ステップ4と同様、部会で規格案とコメントを基に規格の内容について論議します。
   ステップ8  総会で規格案が論議され、承認されればコーデックス規格として正式に認められます。
                 
                 
                 
                 
                 



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